名打なう)” の例文
「そうですね。それがようございますよ。若旦那——これからお屋敷へ上ったって、脇坂様は名打なうてのけちん坊だ。お茶いっぱい飲ましてくれないにきまってますからね」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
寝乱れ姿のしどけなく顔蒼ざめた様子も、名打なうての美形びけいだけあって物凄いくらい。死んだ主人とは三十近くも齢が違うわりに、未だかつて浮いた沙汰などついぞ世間に流れたことはなかった。