右腕うわん)” の例文
マス君はしば/\真直まつすぐな鋭い剣を送つたが、たま/\其れを避け外したカ君の右腕うわんから血が流れた。なり深い負傷であるにかゝはらずカ君は戦闘を続けた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ギョッとしてしりぞく敵に乗り、残心を勝つ心持ち、サッと右腕うわんへ太刀をつけた。敵もさる者スッと退く。足踏み違えた広太郎、息もつかせず左腕さわんを取る。が、こいつも引っぱずされた。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
今度はドルシエエル君の指揮のもとに第二回の決戦が開かれ、たがひに巧妙な突撃と迅速な回避とを交換して第一回にも優る猛烈な戦闘を続けて居るうち、マス君は右腕うわんに二回迄敵じんを受けた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)