可愧はずか)” の例文
「さようおっしゃりましてはお可愧はずかしゅうございます、誠にお麁末そまつで、どうぞ差置かれまし。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
憑物つきものでも放れて行ったように思うんですが、こりゃ何なんでしょう、いずれその事に就いてでしょうよ、」とかすかにえみを含んで、神月は可愧はずかしげに上人が白きひげあるなつめのごときおもてを見た。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お前にも恩をた私だから、訳は分ってる、こう見えても可愧はずかしいが、馬車に乗ったこともあるし、御前様ごぜんさま々々とかしこまられたこともあるが、おおきな声一つ出してお前にゃあ、用を言い付けたこともない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くッてよ、」と可愧はずかしそうに、打返してまた裏を見た。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)