叛軍はんぐん)” の例文
「かしこまりました。身不肖ながら、叛軍はんぐんいかに気負うとも、散開さんかいに斬りふさぎ、要害に守り支え、もし急変があればふたたび速報申しあげます」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
したがって、かりに田川大作のような狂熱的きょうねつてき青年がいて、血涙けつるいをふるって叛軍はんぐんに同情するようなことがなかったとしても、塾生たちが冷静でありうる道理がなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
一千数百名の将兵をして勅命違反の叛軍はんぐんたらしめんとするに至れるは、果たして誰の責任であろうか。事件は突如として今日現れたのではなくて、って来れる所遠きに在る。
二・二六事件に就て (新字新仮名) / 河合栄治郎(著)
墨西哥メキシコの首都附近に、叛軍はんぐんせまる、一両日中に、クーデター起るものと予測さる」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
武子台に難を避けた定公の身辺にまで叛軍はんぐんの矢がおよぶほど、一時は危かったが、孔子の適切な判断と指揮とによってわずかに事無きを得た。子路はまた改めて師の実際家的手腕しゅわんに敬服する。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
そして、信長の本塁ほんるい天野山あまのやまにおかれた。こう壮観な布陣を展開しながら、彼はなお、ちぬらずして叛軍はんぐんを降すことに、一縷いちるの望みをつないでいた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
逃げ帰った叛軍はんぐんの将、柴田権六は
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)