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取附
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とッつき
ふりがな文庫
“
取附
(
とッつき
)” の例文
ここばかりではのうて、峠を越しました向うの坂、
石動
(
いするぎ
)
から
取附
(
とッつき
)
の
上
(
のぼ
)
り口にも、ぴたりと封じ目の墨があるでござります。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時に返事をしなかった、
上框
(
あがりがまち
)
の障子は一枚左の方へ開けてある。
取附
(
とッつき
)
が三畳、次の
間
(
ま
)
に
灯
(
あかり
)
は
点
(
つ
)
いていた、弥吉は土間の処へ
突立
(
つった
)
って、委細構わず
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
取附
(
とッつき
)
の三段の古棚の
背
(
うしろ
)
のね、物置みたいな暗い中から、——
藻屑
(
もくず
)
を
曳
(
ひ
)
いたかと思う、汚い
服装
(
なり
)
の、小さな
婆
(
ばあ
)
さんがね、よぼよぼと出て来たんです。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
まだ
両親
(
ふたおや
)
ともあったんです。母親が大病で、暑さの
取附
(
とッつき
)
にはもう医者が見放したので、どうかしてそれを
復
(
なお
)
したい一心で、薬を探しに来たんですな。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と門内へ駈け込んで、
取附
(
とッつき
)
の格子戸をがらがらと開けて、車夫は横ざまに身を開いて、浅黄裏を
屈
(
かが
)
めて待つ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
人足繁き夕暮の河岸を、影のように、すたすたと抜けて、それからなぞえに橋になる、向って
取附
(
とッつき
)
の
袂
(
たもと
)
の、一石餅とある浅黄染の
暖簾
(
のれん
)
を
潜
(
くぐ
)
って、土間の縁台の薄暗い処で、
折敷装
(
おしきもり
)
の赤飯を一盆だけ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
附
常用漢字
中学
部首:⾩
8画
“取附”で始まる語句
取附端