占者うらないしゃ)” の例文
この空谷子と云うのは、こういう時に、話しをするのに都合よく出来上った、哲学者みたような占者うらないしゃみたような、妙な男である。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから驚いて毘沙門びしゃもん様にがんがけをしたり、占者うらないしゃに見て貰うと、これは内々うち/\の者が取ったに違いないと申しましたから、みんなの文庫や葛籠つゞらを検めようと思って居ります
岸本はあだかも、手相を占者うらないしゃの前にでも出して見せるような手付をして、自分で自分の手を眺めた。その手を他から出された手のようにして出し直して見た。実際、それは誰の手でも無かった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ベッドの明智が、占者うらないしゃにでもたずねるようにいった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると嫂がそれに賛成して、一週間ばかり前占者うらないしゃに見てもらったら、この人はきっと人のかみに立つに違ないと判断したから大丈夫だと主張したのだそうだ。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
何うしてわたしが水道端へく事を知っているだろうか、本当に占者うらないしゃのような人だと云いながら、水道端なる相川新五兵衞方へ参りましたが、孝助は養子に成って間もなく旅へ出立し
「はゝアこれが、昨日きのう良石和尚が教えたには今日の八ツ頃には必ず逢いたいものに逢う事が出来ると仰せあった占者うらないしゃだな、かたきの手掛りが分り、源次郎お國にめぐり逢う事もやあろうか、何にしろ判断して貰おう」