卒去そっきょ)” の例文
永禄元年十月に武蔵守輝国が卒去そっきょしたので、河内介は父の家督を継いで武蔵守輝勝を名告り、今やその勃々ぼつ/\たる雄心に誰も掣肘せいちゅうを加える者がなく
と僕はもう一枚の夕刊の雑報ざっぽうの中に神沢中将卒去そっきょの記事を発見した。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「甲斐の晴信入道信玄には、この三月中に、卒去そっきょされたそうです」
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老大納言卒去そっきょの翌年に左大臣時平が死に、それから約四十年の間に時平の一族が次々に滅んだことは既に記した通りであるが、天子は醍醐だいご朱雀すざくを経て村上むらかみとなり
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
だがまあそれも孰方でもよいとして、北の方奪取事件があってから四五年の後、延喜えんぎ九年四月四日に、時平が三十九歳の若さをもっ卒去そっきょしたことははっきりしている。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)