たゞ)” の例文
時をたゞし道にしたがひ、仰いで鳳鳴を悲み、俯して匏瓜を嘆ず、之をりてれざらんことを恐れ、之を藏めて失はんことを憂ふ、之れ正は即ち正なりと雖も
人生終に奈何 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
わたくしは此に先づ一の大いなる錯誤をたゞして置く。それはたま/\篋中よりき出した一通が、わたくしをして嚢里なうり新居の壬午の歳に成つたことを思はしむる一事である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二、あつく仏法を敬へ。三、みことのりは謹しんでけよ。四、群臣は礼を重んぜよ。五、私慾を棄て、訴訟を裁け。六、悪をたゞし、善を勧めよ。七、官職は人を得なければならぬ。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
汝若し惡人とならば、我おそらくは善人たることを得じ。そは怪しき力我を引きて汝がの中に入るればなり。我は素より我心を以て汝が行をたゞさんとせず。人皆天賦のさがあり。
たゞすに意があつたのではなからうか。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)