がひ)” の例文
旧字:
懐かしいしやぎりや舞台裏の木の音に気を好くしてゐる時の方ががひがあるやうに思へた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
唯後ただあとのこり候親達のなげきを思ひ、又我身生れがひも無く此世の縁薄く、かやうに今在る形もぢきに消えて、此筆このふで此硯このすずり、此指環、此燈このあかり此居宅このすまひも、此夜も此夏も、此の蚊の声も、四囲あたりの者は皆永く残り候に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いひがひなきに呆れ果てて、罵倒することなゝめならず。
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)