しばい)” の例文
そぞろあるきの見物はプロマイド屋の店さきにたつ心と、しばいきと、合せて絵画の観賞者でもあるのだ。
この……県に成上なりあがりの豪族、色好みの男爵で、面構つらがまえ風采ふうつき巨頭公あたまでっかちによう似たのが、しばい興行のはじめから他に手を貸さないで紫玉を贔屓ひいきした、既に昨夜ゆうべもある処で一所になる約束があった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それが土地の気受けにかない、神戸における楠公様のしばいである上に、川上の事件は当時の新聞が詳細に記述したので、人気はいやがうえにと添い、入院費用はあまるほど得られた。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)