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到処
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いたるところ
ふりがな文庫
“
到処
(
いたるところ
)” の例文
旧字:
到處
彼の母親は大泣きに泣いて十幾幕も
愁歎場
(
しゅうたんば
)
を見せた。彼の祖母は三度井戸に飛び込んで三度引上げらた。あとで彼の母親は
到処
(
いたるところ
)
で説明した。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
○日露戦争この方十年来
到処
(
いたるところ
)
予の目につくは軍人ともつかず学生ともつかぬ一種の制服姿なり。市中電車の
雇人
(
やといにん
)
、鉄道院の役人、軍人の馬丁。
洋服論
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
到処
(
いたるところ
)
に古いシヤトオと古蹟とあり、気候も温暖にして頗る住居に好い処であつた。
馬鈴薯からトマト迄
(新字旧仮名)
/
石川三四郎
(著)
君
(
きみ
)
臣
(
しん
)
を
択
(
えら
)
ばず、臣君を択ぶというようになっていたと見えて、五百が
此
(
かく
)
の如くに諸家の奥へ
覗
(
のぞ
)
きに往ったのは、
到処
(
いたるところ
)
で
斥
(
しりぞ
)
けられたのではなく、自分が仕うることを
肯
(
がえん
)
ぜなかったのだそうである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
始めとして
到処
(
いたるところ
)
西洋まがひの建築物とペンキ塗の看板痩せ衰へた
並樹
(
なみき
)
さては
処嫌
(
ところきら
)
はず無遠慮に突立つてゐる電信柱と又目まぐるしい電線の網目の為めに
路地
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
始めとして
到処
(
いたるところ
)
西洋まがいの建築物とペンキ塗の看板
痩
(
や
)
せ
衰
(
おとろ
)
えた
並樹
(
なみき
)
さては処嫌わず無遠慮に突立っている電信柱とまた目まぐるしい電線の網目のために
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今や世を挙げて西洋模倣の粗悪なる毒々しき色彩衣服に書籍に家屋に器具に
到処
(
いたるところ
)
人の目を
脅
(
おびやか
)
すにつけて、
僅
(
わずか
)
両三年
前
(
ぜん
)
まではさほどにも思はざりける風土固有の温和なる色調
一夕
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
到
常用漢字
中学
部首:⼑
8画
処
常用漢字
小6
部首:⼏
5画
“到処”で始まる語句
到処秋景惨憺