初毛うぶげ)” の例文
小学校時代の初毛うぶげの生えた曲線の多い首すじ。殊にえり際。大人と子供との中間の人の首すじを見るのは特別に面白い。
人の首 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
有るか無きかの微風そよかぜにも、その初毛うぶげのやうな、また綿わたのやうな花が軽く静かに飛んで行く。いや花では無くて、やはり花の後に著ける綿なのである。
柔らかな初毛うぶげのはえた肉色の一脚にならんで、それはつやつやと手垢にみがかれた骨董品のやうな一脚であつたのだ。
三十三の死 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
お銀は軟かい初毛うぶげの見える腕を延ばして、含嗽莨うがいたばこなどをふかした。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ひな初毛うぶげはみすぼらし
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ずゐの露の初毛うぶげを。
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)