切開せっかい)” の例文
切開せっかいです。切開して穴と腸といっしょにしてしまうんです。すると天然自然てんねんしぜんかれためんの両側が癒着ゆちゃくして来ますから、まあ本式に癒るようになるんです」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それをかこんで二人の人物が、熱心に頭と頭とをつきあわさんばかりにしていた。一人は白い手術着を着て、メスだのはさみだのを取りあげ、屍体の咽喉部いんこうぶ切開せっかいしていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
洪水の襲撃を受けて、失うところのだいなるを悵恨ちょうこんするよりは、一方のかこみを打破った奮闘の勇気に快味を覚ゆる時期である。化膿せる腫物しゅもつ切開せっかいした後の痛快は、やや自分の今に近い。
水害雑録 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
彼は男性人造人間の頭蓋ずがいをひらいて、その中につめてあった人造脳髄を切開せっかいして取りだした。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)