かんむり)” の例文
本をひろげてかんむりの図や日蔭のかずらの編んである図などを見た。それについてまた簡単な趣味と複雑な趣味との議論が起った。
車上の春光 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
縛られた耶蘇イエスがピラトの前に引出されて罪に定められ、いばらかんむりを冠せられ、其面に唾せられ、雨の樣な嘲笑をびて、遂にゴルゴダの刑場に
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
殿上の高い処に一人の王者がかんむりを被りほうを著てつくえに拠って坐っていた。その左右には吏員がおり、また鬼卒も控えていた。
令狐生冥夢録 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
イエスを戸外そとへ引き出した。いばらかんむりを頭に冠せ、紫の袍を肩へ着せ、そうして一整に声を上げた。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
キリストと共にいばらかんむりかむらしめられて信者は彼と共に義の冕を戴くの特権に与かるのである。
の暦法を用い、いんくるまに乗り、周のかんむりをかぶるがいい。舞楽はしょうがすぐれている。𨜟ていの音楽を禁じ、佞人ねいじんを遠けることを忘れてはならない。𨜟の音楽はみだらで、佞人は危険だからな。」
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
縛られた耶蘇イエスがピラトの前に引出されて罪に定められ、いばらかんむりを冠せられ、其おもてに唾せられ、雨の様な嘲笑を浴びて、遂にゴルゴタの刑場に
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
神は愛するほどその子を苦しめ賜うがごとし、汝の苦しめらるるは汝神に愛せらるるの証なり、忍びて試誘こころみを受くる者はさいわいなり、そはこころみを経て善とせらるる時は生命のかんむりを受くべければなり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)