公卿輩くげばら)” の例文
逆鱗げきりんは申すまでもない。お留守をあずかっていた公卿輩くげばらはもちろんのこと、行幸みゆきいてもどった人々も、その御気色みけしき慴伏しょうふくして
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのこともなく、殿が、御出仕あれば、ちょうを示され、公卿輩くげばらが、そねみ出すと、見えすいた陰謀も、知らぬお顔というのでは、殿が、生殺なまごろしというものだぞやい
これは血の不思議をおもう公卿輩くげばらなどには、なにか因縁事いんねんごとのようなオゾ毛をふるわせたのではなかったろうか。
「それはご苦労でした。したが唯今ただいま、殿下には、おん鞠場まりばへ出て、公卿輩くげばらを相手に、蹴まりに興じておられますゆえ、しばらく、その辺でお待ちくださらぬか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
公卿輩くげばら公達きんだちなかまでは、やごとなき摂家せっけの姫君をすら、はぎすすきの野ずえにき盗み出しまいらせて、朝月のほの白むまで、露しとどな目にお遭わせして、人目ひとめひそに、帰しまいらせたとか。