全級ぜんきふ)” の例文
いつも画学ぐわがくと習字にかけては全級ぜんきふたれも及ぶものゝない長吉ちやうきち性情せいじやうは、鉄拳てつけんだとか柔術じうじゆつだとか日本魂やまとだましひだとかふものよりもまつたちがつた他の方面に傾いてゐた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
長吉ちやうきちには鉄棒からさかさにぶらさがつたり、人のたけより高いたなの上から飛下とびおりるやうな事は、いかに軍曹上ぐんさうあがりの教師からひられても全級ぜんきふの生徒から一せいに笑はれても到底たうてい出来得できうべきことではない。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)