入水じゆすゐ)” の例文
たづね出さんと又々諸國しよこくへ手をまはされけれ共靱負の在家ありか少しも知ず其中そのうち西國へ差出さしいだされたる探索たんさくの者より靱負は泉州せんしうさかひにて入水じゆすゐせしと云事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まる一晝夜、心當りを探し拔いた擧句あげく、思案に餘つて兩國から、フラフラと入水じゆすゐしようとしたので御座います
舞台は相愛あひあいする男女の入水じゆすゐと共に𢌞まはつて、女のはう白魚舟しらうをぶね夜網よあみにかゝつて助けられるところになる。再びもとの舞台に返つて、男も同じく死ぬ事が出来できなくて石垣いしがきの上にあがる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
『祖父太政大臣平朝臣清盛公法名淨海、親父小松内大臣左大將重盛公法名淨蓮、三位中將維盛年二十七歳、壽永三年三月十八日和歌の浦に入水じゆすゐす、徒者足助二郎重景二十五歳殉死す』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
此ほどの事かゝんもくだ/\しや大音寺前にて珍らしき事は盲目按摩の二十ばかりなる娘、かなはぬ戀に不自由なる身を恨みて水の谷の池に入水じゆすゐしたるを新らしい事とて傳へる位なもの
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)