免職めんしょく)” の例文
それから増給事件と将来重く登用すると赤シャツが云った話をしたら山嵐はふふんと鼻から声を出して、それじゃ僕を免職めんしょくする考えだなと云った。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
免職めんしょく? さとし免職ってことが有るってネ。もしか免職なんていうんなら、わたしゃきやしない。
鵞鳥 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
為朝ためともがいうことをきかないので、天子てんしさまはおおこりになって、子供こどもわるいのはおやのせいだからというので、おとうさんの為義ためよし免職めんしょくして、隠居いんきょさせておしまいになりました。
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
寺田にしては随分ずいぶん思い切った大胆だいたんさで、それだけ一代にのぼせていたわけだったが、しかし勘当かんどうになった上にそのことが勤め先のA中に知れて免職めんしょくになると、やはり寺田は蒼くなった。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
むずかしくならなければいいがと多少心配そうに見えた。おれには心配なんかない、先で免職めんしょくをするなら、免職される前に辞表を出してしまうだけだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
実際おれは免職めんしょくになるか、寄宿生をことごとくあやまらせるか、どっちか一つにする了見でいた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)