先王せんわう)” の例文
それは、道徳家としての彼と芸術家としての彼との間に、何時も纏綿てんめんする疑問である。彼は昔から「先王せんわうの道」を疑はなかつた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
の東にある先王せんわうの金婚式記念の博物館をもうたが、其処そこの日本部にはおよそ十室にわたつて歌麿、春信、広重、豊国其他そのたの浮世絵が蒐集せられて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
森鴎外もりおうぐわい先生は確か馬琴日記抄のばつに「馬琴よ、君は幸福だつた。君はまだ先王せんわうの道に信頼することが出来た」とかなんとか書かれたやうに記憶してゐる。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)