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傍杖
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そばづえ
ふりがな文庫
“
傍杖
(
そばづえ
)” の例文
「わしも、
傍杖
(
そばづえ
)
くって、こんな
汚
(
むさ
)
い所へ
墜
(
お
)
ちてしまったので、見もせなんだが、跫音はたしかに、あっちへ遠のいて行った」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
亜米利加
(
アメリカ
)
の排日案通過が反動団体のヤッキ運動となって、その
傍杖
(
そばづえ
)
が帝国ホテルのダンス場の剣舞隊闖入となった。
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
たかが
山家
(
やまが
)
の恋である。男女の痴話の
傍杖
(
そばづえ
)
より、今は、高き
天
(
そら
)
、広き世を持つ、学士榊三吉も、むかし、一高で骨を鍛えた向陵の健児の意気は衰えず
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
共に映し返された鏡に向っても
傍杖
(
そばづえ
)
に苦渋な姿を何十何百かの分身の映像まで伴って反撃的に映り返して行く。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見ていた男女も
傍杖
(
そばづえ
)
を恐れて去る。お松とお吉だけが、家の前に小さくなっている。家の中でドタバタ音がする。皿の壊れる音、棚から物の落ちる音などがする。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
▼ もっと見る
かくてはわたくしが
傍杖
(
そばづえ
)
をくうおそれがあるので迷惑だから、
道中
(
どうちゅう
)
だけを特に変装して貰うことにした。
地軸作戦:――金博士シリーズ・9――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「殿さまを殺す気はなかったが、あいにく其の日に限って、殿さまも船で帰ったので、云わば
傍杖
(
そばづえ
)
の災難に出逢ったのですよ。運の悪いときは仕方のないものです」
半七捕物帳:53 新カチカチ山
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この前のあの新聞の事件が雪子に飛んだ
傍杖
(
そばづえ
)
を食わせたところから、今度は
雪姉
(
きあん
)
ちゃんが縁づく迄は軽はずみなことはしないと云っているので、そう急に破局が迫っているのでないことが
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
馬まで
傍杖
(
そばづえ
)
を食わして殺すのは
非道
(
ひど
)
い。
踊る地平線:07 血と砂の接吻
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
果してそうであれば、
傍杖
(
そばづえ
)
を食ったおかみさんと自分はともあれ、主人が痛い目をみるのは是非ない事かとも思われた。いずれにしても元来た道を引っ返すのは危険である。
恨みの蠑螺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いえ、女ってえものは、またこれがその柔よく剛を制すといった形でね。喧嘩にも
傍杖
(
そばづえ
)
をくいません、それが証拠にゃあ
御覧
(
ごろう
)
じろ、人ごみの中でもそんなに足を
蹈
(
ふみ
)
つけられはしねえもんだ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そうすると、何かの呪詛——もし果たして何かの呪詛があったとすれば、それは透君ひとりにとどまっていることで、多代子さんはその
傍杖
(
そばづえ
)
を食っていたのかも知れませんね。」
深見夫人の死
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
勿論、そのなかには何の罪もなく
傍杖
(
そばづえ
)
の災難をうけた者もあるかも知れないと、庄屋の茂右衛門が先に立っていろいろに詮議をしたが、差しあたり是れという心あたりも見いだされなかった。
半七捕物帳:24 小女郎狐
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わしらも
傍杖
(
そばづえ
)
の怪我せぬうちと、命からがら逃げて来たのじゃ。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
杖
漢検準1級
部首:⽊
7画
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傍杖的