“倒懸”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さかづり33.3%
たうけん33.3%
とうけん33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ドンと落ちたが地獄の姿じゃ。針の山から血の池地獄。大寒地獄に焦熱地獄。剣樹けんじゅ地獄や石斫いしきり地獄。火煩かぼん、熱湯、倒懸さかづり地獄と。数をつくした八万地獄じゃ。娑婆で作った因果のむくいで。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
黄袗くわうしんは古びてあかく、四合目辺にたなびく一朶いちだの雲は、垂氷たるひの如く倒懸たうけんして満山をやす、別に風よりはやき雲あり、大虚をわたりて、不二より高きこと百尺ばかりなるところより、これかざ
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
にはかに千葉に行く事有りて、貫一は午後五時の本所ほんじよ発を期して車を飛せしに、咄嗟あなや、一歩の時を遅れて、二時間のちの次回を待つべき倒懸とうけんの難にへるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)