たより)” の例文
わが頭をもたげしを見て、われを鞍にばくせし男のいふやう。客人醒め給ひしよ。十二時間の熟睡は好き保養なるべし。こゝなるグレゴリオは羅馬より好きたよりをもて來たり。
五六日うちに来ると云った主人が、それっきり姿をみせない、使いもないしたよりも来なかった。
追いついた夢 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
過了ギテ残雨けむリ/江上九月尚風多シ/縄枢我ハ擬ス今ノ原子ニ/屋漏誰カ思ハン古ノ魯公ヲ/暮歳期有リテ床下ニ蟋アリ/故人たより無シ水辺ノ鴻/一家ベテいだク悲秋ノ感/貧病相依ル風雨ノうち
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)