佳味かみ)” の例文
じっさいそれは、アメリカだちょうと、しょうせらるるものであった。全身は灰色で、その肉は佳味かみをもってしょうせらる。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
また人工じんこうたくみなるも、造化ざうくわにはくべからず、自然しぜん佳味かみひとつくらじ、されば、鳥籠とりかごつくし、こゝろつくしてふとも、いかで鳥類てうるゐこゝろかなふべき。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すでに酒宴のしつらえができている。衆の歓語、満堂の和気。ぜひなく盧俊儀ろしゅんぎも杯にかこまれた。さてまた、次の日も宴だった。馬、羊をほふり、山菜の珍、水産の佳味かみ、心入れでない物はない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)