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伽羅油
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きゃらゆ
ふりがな文庫
“
伽羅油
(
きゃらゆ
)” の例文
二人はもうどうしていいか分らぬほどな情炎に包まれて
伽羅油
(
きゃらゆ
)
のとろ火で煮られたかのような酔心地になりかけていた。——その時。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「木戸の
蝶番
(
ちょうつがい
)
に油を
注
(
さ
)
して、
開
(
あ
)
け
閉
(
た
)
てに音の出ないようにした奴だ。——その油は、日本橋の通三丁目で売っている、
伊達者
(
だてしゃ
)
の使う
伽羅油
(
きゃらゆ
)
だ。八、ここにいる人間の頭を嗅いで見ろ」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あどけない笑顔を近づけて、
伽羅油
(
きゃらゆ
)
のにおいに馬春堂を
咽
(
む
)
せさせたのは、獄門橋で見た時とはまるで違って、いかにもおぼこらしい、
混血児
(
あいのこ
)
のお蝶であります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
嗅
(
か
)
いでみると、プーンと
伽羅油
(
きゃらゆ
)
のにおいがする。そして
皺
(
しわ
)
をのばした紙の中からもつれた髪の毛が四、五本出た。その一本を指に伸ばして見て、彼は女の毛だということを知った。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
江戸の女は、
上
(
うえ
)
つ
方
(
かた
)
で、
伽羅油
(
きゃらゆ
)
、町方では
井筒
(
いづつ
)
か
松金油
(
まつかねあぶら
)
と限っている
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「あたし、生姜はいらないから、
太好庵
(
たいこうあん
)
の
伽羅油
(
きゃらゆ
)
がお
土産
(
みやげ
)
に欲しい」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
炬燵に
蒸
(
む
)
れる
伽羅油
(
きゃらゆ
)
の匂いに、孫兵衛、もう
恍惚
(
こうこつ
)
となって
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
伽
漢検準1級
部首:⼈
7画
羅
常用漢字
中学
部首:⽹
19画
油
常用漢字
小3
部首:⽔
8画
“伽羅”で始まる語句
伽羅
伽羅枕
伽羅沙
伽羅大盡
伽羅千代萩
伽羅柿
伽羅蕗
伽羅大尽
伽羅文庫
伽羅沈香