亂杭らんぐひ)” の例文
新字:乱杭
與一 まして河の底には亂杭らんぐひを打つて、大綱小綱を張りわたし、馬の足をさゝへんと巧んである。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
裏庭うらにはとおもふあたり、はるおくかたには、のやゝれかゝつた葡萄棚ぶだうだなが、かげさかしまにうつして、此處こゝもおなじ溜池ためいけで、もんのあたりから間近まぢかはしへかけて、透間すきまもなく亂杭らんぐひつて
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「さうだらう。其方の人相は、どう買ひかぶつても惡人といふ相ぢやない。鼻がそつくり返つて、眼尻が下がつて、齒が少し亂杭らんぐひだな。そんな刻みの深い顏は、總て善人か愚人ぐじんにあるものぢや」