丸々まるまる)” の例文
剪刀はさみ一所いっしょになつて入つて居たので、糸巻の動くに連れて、それいわへた小さな鈴が、ちりんとかすかに云ふから、いとけない耳に何かささやかれたかと、弟は丸々まるまるツこいほお微笑ほほえんで、うなずいてならした。
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
男は幾分うるさそうに、丸々まるまると肥った、口髭くちひげの短い、活動家らしい頭をもたげた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
女は何か考えるように、丸々まるまるした顔を傾けて見せた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)