串焼くしやき)” の例文
千住せんじゅの名産寒鮒かんぶなの雀焼に川海老かわえび串焼くしやき今戸いまど名物の甘い甘い柚味噌ゆずみそは、お茶漬ちゃづけの時お妾が大好物だいこうぶつのなくてはならぬ品物である。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
マグロの刺身さしみ。イカの刺身。支那しなそば。ウナギ。よせなべ。牛の串焼くしやき。にぎりずしの盛合せ。海老えびサラダ。イチゴミルク。
グッド・バイ (新字新仮名) / 太宰治(著)
すすだらけな浪宅に竹脚の膳をすえ、裂いた松茸まつたけふな串焼くしやき、貧乏徳利をそばにおいて、チビリ、チビリ、昼の酒。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
豚肉の串焼くしやきの中にも、きじきも揚物あげものの中にも、こい丸煮まるにの中にも、その他いろんな見事な料理の中には、みな強い酒がまぜてありましたし、それを食べながら
天狗の鼻 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
里人は私のなまぐさ坊主たる事を看破致し、それにつけ込んで、にやにや笑いながら鮎の串焼くしやきなど持って来て、おどろくほど高いお金を請求いたします。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)