世帯しよたい)” の例文
旧字:世帶
代助は椅子にこしけた儘、あたらしく二度の世帯しよたいを東京に持つ、夫婦の未来を考へた。平岡は三年前新橋で分れた時とは、もう大分変つてゐる。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
こんなことでは世帯しよたいがもてないと、なかにたつて客をはゞみだしたのがむすこの桃華氏で、桃華氏が亡くなつてからは、その未亡人がこの役割を勤めてゐた。
かれはしばらく奈美子なみこ同棲どうせいしてゐた郷里きやうり世帯しよたいをたゝんで、外国ぐわいこくへわたる準備じゆんびとゝのへるために、そのとき二人ふたり上京じやうきやうして、竹村たけむらちかくに宿やどつてゐた。かれなんとなくいら/\してゐた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)