一筋道ひとすじみち)” の例文
二つの道の間に選ぶためにこそ努力は必要とせられるけれども、唯一筋道ひとすじみちを自由に押し進むところに何の努力の助力が要求されよう。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
先生せんせいは、年子としこがゆく時間じかんになると、学校がっこう裏門うらもんのところで、じっと一筋道ひとすじみちをながめてっていらっしゃいました。
青い星の国へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
一筋道ひとすじみち何処どこへもけることが出来ません、一角はうろたえてあとへ帰ろうとすれば村が近い、仕方がないからさっさっと側の薄畳の蔭の処へ身を潜め、小さくなって隠れて居ります。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
或夜いつもの如く品川宿よりの帰りみちつれの者にもはぐれ、唯一人牛町うしまち一筋道ひとすじみちを大急ぎに歩みまいり候とおもいほか何処どこまで行き候ても同じやうなる街道にて海さへ見え申さず候ゆえ、これはてつきり
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一筋道ひとすじみちはてに美しき眺めよこた