“わがいえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
我家61.5%
吾家38.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸外おもてには風の音、さらさらと、我家わがいえなるかのかえでの葉をならして、町のはずれに吹き通る、四角よつかどあたり夕戸出ゆうとでの油売る声はるかなり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昨三十七年は我家わがいえの大厄難たるも、幸にして漸く維持を得たるを以て、尚本年は最も正直と勤倹とを実行し且つ傭人やといにん等に成丈なるたけ便宜を与えん事を怠らず
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
しもの方を見ると、吾家わがいえなかば水に浸って、繋いだ舟は背戸せどの柳の幹のなかばに浮いて居る。手を翳して向うを見ると、水漫々として飛ぶ鳥の影もなく、濁浪渦まいて流れ行くのが月下に見える。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
明治の初年、薩摩近い故郷こきょうから熊本に引出で、一時寄寓きぐうして居た親戚の家から父が買った大きな草葺のあばら家に移った時、八歳の兄は「破れ家でも吾家わがいえが好い」と喜んで踊ったそうである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)