“ゆつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
由槻33.3%
五百槻33.3%
弓月33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
由槻ゆつきたけは巻向山の高い一峰だというのが大体間違ない。一首の意は、痛足河に河浪が強く立っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
痛足河あなしがは河浪かはなみちぬ巻目まきむく由槻ゆつきたけ雲居くもゐてるらし 〔巻七・一〇八七〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
長谷はつせ五百槻ゆつきもとかくせるつまあかねさしれる月夜つくよひとてむかも 〔巻十一・二三五三〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
長谷はつせは今の磯城郡初瀬はせ町を中心とする地、泊瀬はつせ五百槻ゆつき五百槻いおつきのことで、沢山の枝あるけやきのことである。そこで、一首の意は、長谷はつせ(泊瀬)の、槻の木の茂った下に隠して置いた妻。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あしひきの山河やまがはるなべに弓月ゆつきたけくもわたる 〔巻七・一〇八八〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
こういう自然観入は、既に、「弓月ゆつきが岳に雲たちわたる」の歌でも云った如く、余程鋭敏に感じたものと見える。そして人麿歌集所出の歌だから、恐らく人麿の作であろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)