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やくしゆ
ば先下に置き
懷中より一枚の紙取出し如何も少々の
買物にて氣の毒ながら此方の店は
藥種が能きゆゑ
態々と
遠方よりして參りたれば此の十一
味を
三人
仕立切棒の
竹輿路次口へ
据させ
自己は夫に乘り方々と
聲掛させながら本町へこそ到りけれ
竹輿舁豫て心得ゐれば同町三丁目の
藥種店小西屋長左衞門の前に
下し戸を
も
持居り候又
小網町三丁目河内屋と申
古着屋の
裏に九郎兵衞と申
藥種屋の若い者にて
以前より出入を
伯父の居間は宿屋の方の帳場と
薬種を売つて居る店との間にあつた。