“めいもう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
迷妄68.2%
冥濛9.1%
溟濛9.1%
瞑朦4.5%
迷濛4.5%
迷蒙4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
耽溺たんでき、痴乱、迷妄めいもうの余り、夢ともうつつともなく、「おれの葬礼とむらいはいつ出る。」と云って、無理心中かと、遊女おいらんを驚かし、二階中を騒がせた男がある。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
戸外そとに出て海の方を見ていた村の人の某者あるものは、冥濛めいもうな海のはてに当って、古綿ふるわたをひきちぎったような雲が浮んで、それに電光がぎらぎらと燃えつくようになったのを見た。
月光の下 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かの溟濛めいもうたる瓦斯の霧に混ずる所が往時この村夫子そんぷうしの住んでおったチェルシーなのである。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
総勢数えて三十余人、草履あるいは跣足はだしにて、砂を蹴立て、ほこりを浴び、一団の紅塵こうじん瞑朦めいもうたるに乗じて、疾鬼しっき横行の観あり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして、もし算哲が生存しているならば、事件を迷濛めいもうとさせている、不可思議転倒の全部を、そのまま現実実証の世界に移すことが出来るのだ。熊城は昂奮したように、粗暴な叫び声を立てた。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
疲れ多い夢からめるように、それらの迷蒙めいもうから眼を覚ました——自分のしたことや、これからまだしかねないことなどが、やや恥ずかしくもあり不安でもあった。