溟濛めいもう)” の例文
今日の午前、天地溟濛めいもうになる迄は、長いうねりが堂々と押し寄せ、陸から吹く風が波頭から泡沫のかたまりをちぎり取って、空中高く吹き廻す有様はまことに素晴しかった。
かの溟濛めいもうたる瓦斯の霧に混ずる所が往時この村夫子そんぷうしの住んでおったチェルシーなのである。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)