“みせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
未醒50.0%
未成50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
真先まっさきに立ちたる未醒みせい君、立留たちどまって、一行を顧みた。見ればまさしく橋は陥落して、碧流へきりゅういわむ。一行相顧みて唖然あぜんたり。
「コラ、そんな事をいうと、天狗様の罰が当るぞ」と、未醒みせい子は眼を剥く。先生の相貌、羅漢に似たる為か、アーメンはよくよく嫌いと見えたり。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
現に裏の畑には芋も大根もあるのに、それを掘るのが面倒なのか、高い缶詰を売付けようとするのか、不親切もはなはだしいので、未醒みせい子大いに腹を立て
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
あとに続く木川子、それにかく申す吾輩、殿軍しんがりとしては五尺六寸ヌーボー式を発揮した未醒みせい画伯、いずれも着茣蓙きござを羽織って、意気揚々塩原しおばらへこそ乗りこんだり。
最もほそく作られたるものは其原料げんれう甚だ見分みわけ難けれどややふときもの及び未成みせいのものをつらね考ふれば、あかがひのへり部分ぶぶんなる事を知るを得。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
人のゐない宿屋の一室に置き捨てられた鏡台の曳出ひきだしからは無名の音楽者の書きかけた麗しい未成みせいの楽譜のきれはしが発見せられはしまいか。或は自殺未遂者の置き忘れて行つた剃刀かみそりが出はしまいか。
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)