“ぶぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憮然70.3%
豊前24.1%
撫然3.4%
豐前1.4%
蕪然0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
憮然ぶぜんとして痛嘆する孔明の呟きを聞くと、馬謖ばしょくは日頃の馴れた心を勃然ぼつぜんと呼び起して、その面にかっと血の色をみなぎらして叫んだ。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて如水は筑前に攻めこみ、久留米、柳川を降参させる、別勢は日向ひゅうが豊前ぶぜんに、更に薩摩に九州一円平定したのが十一月十八日。
二流の人 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
李は撫然ぶぜんとして、こんな事さえ云った。が、道士の無口な事は、前と一向、変りがない。それが、李の神経には、前よりも一層、甚しくなったように思われた。
仙人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ぞ待にける爰に飯焚めしたきの宅兵衞と云は桝屋ますや久藏が豐前ぶぜん小倉に居る時よりの飯焚にて生得しやうとく愚鈍ぐどんなる上最もしはく一文の錢も只はつかはず二文にして遣はんと思ふ程の男なれども至極しごくの女好にて年は五十を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
和田屋わだやと筆太に塗ったここらでの老舗しにせらしい間口の広い家——そういったものが、迫りくる暮色のなかに雑然蕪然ぶぜんと押し並んで、立枯れの雑木ばやしを見るような、まことに骨さむい景色……。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)