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ひめぢ
上げ是々皆なの
衆先々靜にせられよ此れ處か
未々お
負がある是を惣内殿
貴方覺えが有うなと
投出す
姫路革の三徳を見て惣内はヤア是はと云を
押立玄關には
紫き縮緬の幕を
張威儀嚴重に構へたり此時下の本陣には
播州姫路の城主酒井雅樂頭
殿歸國の折柄にて御旅宿なりしが
雅樂頭殿上の本陣に天一坊旅宿の由を
立て其夜は
姫路に
泊り三日にて大坂へ着せしかども江戸へ
下る心
頻りなれば暫しも
止らず東海道は人目
繁ければ若や岡山の人に
逢もせば
面倒なり
木曾路より
中仙道を行に
如く事なしと路次を