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はうぢやう
方丈聞かれ何事なるやと
尋らるゝに水呑村百姓三五郎と申者御逢を
荻一四六尾花のたけ人よりもたかく
生茂り、露は時雨めきて降りこぼれたるに、
一四七三つの
径さへわからざる中に、堂閣の戸
右左に
頽れ、
方丈一四八庫裏に
縁りたる
廊も
願ひ度と申
出しが百姓の
分際にて御
直に御目通りは叶ひ
難しと申せしかば
斯の仕合なりと言に
方丈は其者是へ
通せと申さるゝゆゑ
侍者の坊主
立出コレ
各々方鎭まられよコリヤ百姓
和尚樣御
逢成るゝに因て此方へ通るべしと言を