“はいたい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ハイタイ
語句割合
廃頽46.2%
胚胎44.0%
敗頽7.7%
敗退1.1%
癈頽1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木像、しんあるなり。神なけれども霊あって来りる。山深く、里ゆうに、堂宇廃頽はいたいして、いよいよ活けるがごとくしかるなり。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当時政治は薩長土の武力によりて翻弄ほんろうせられ、国民の思想は統一を欠き、国家の危機を胚胎はいたいするのおそれがあり、旁々かたがた小野君との黙契もっけいもあり
東洋学人を懐う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
天床、畳、壁、障子、襖、小さな天地ではあるけれども、すべ敗頽はいたい衰残すゐざんの影が、ハツキリと眼に映る。
昔の女 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
のみならず、道徳の敗退はいたいも一所にてゐる。日本国中何所どこを見渡したつて、かゞやいてる断面だんめんは一寸四方も無いぢやないか。悉く暗黒だ。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ともかくも日本妖怪の味は概して、生々とした、病的感、癈頽はいたいした生きものの感じを持つ、或るものはらい病を思い出すように鼻などがなくつるりとしている。これは全くきみ悪い感じである。
ばけものばなし (新字新仮名) / 岸田劉生(著)