“なでしこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
撫子88.3%
瞿麦9.6%
石竹2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの利口さうな女の童は、撫子なでしこがさねの薄物のあこめに、色の濃い袴を引きながら、丁度こちらへ歩いて来る。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
昔の思われる花橘はなたちばな撫子なでしこ薔薇そうび木丹くたになどの草木を植えた中に春秋のものも配してあった。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
瞿麦なでしこの花をえると天人が降りるということを聞いて、庭にその種子をいて見ると、果して天人が降りて来て水に浴して遊んだ。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
わたくしは葌斎かんさい詩集の戊寅の作中、蘭軒が真野松宇の庭の瞿麦なでしこを賞したことを憶ひ出した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
石竹なでしこもにくゝはあらねど丈夫の見るべき花は夏菊の花
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
なお、「恋しけば形見にせむと吾が屋戸やどに植ゑし藤浪いま咲きにけり」(同・一四七一)があり、これを模して家持やかもちが、「秋さらば見つつしのべと妹が植ゑし屋前やど石竹なでしこ咲きにけるかも」(巻三・四六四)と作っているが、共に少し当然過ぎて、感に至り得ないところがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)