“とまど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
戸惑61.0%
戸迷22.0%
途惑9.8%
戸窓2.4%
途迷2.4%
門迷2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうしたらそのお医者の宗近むねちかどんが、戸惑とまどいをして私の家へ参りましたので「呉さんのとこだ呉さんのとこだ」と追い遣りました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一生のうち終り初物で恟りして戸迷とまどいしあがッたんだろう、ざまア見あがれと直ぐ外の男へ口をかけるというように淡泊になって参りました。
あわてた視線が途惑とまどって、窓辺まどべの桜に逸れました。私はぞっとしました。その桜の色の悽愴せいそうなのに。
病房にたわむ花 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
時ありて出窓でまどの下を過ぐるときは、隧道すゐだうの中を行くが如し。だ黒烟の戸窓とまどより溢れて、壁に沿ひて上るを見るのみ。
どっちが北だか、南だか、方角に途迷とまどいしたが、とにかく分れたのは難有ありがたかった、と思いました。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ははははは。門迷とまどいをしちゃア困るぜ。何だ、さッきから二階の櫺子れんじから覗いたり、店の格子に蟋蟀きりぎりすをきめたりしていたくせに」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)