“でばぼうちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出刃庖丁81.8%
出刃包丁18.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「魚銀の店先から出刃庖丁でばぼうちょうを盗みだして、隣りの伊勢正という酒屋の、岡部定吉という小僧、いや、小店員を刺したのです、小店員は重傷です」
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
きざなようですけれども、(ふところから、手拭いに包んだ出刃庖丁でばぼうちょうを出し、畳の上に置いて、薄笑いして)
冬の花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
そいつが出刃包丁でばぼうちょうくわえた女の生首なまくび刺青ほりものの上に、俺達の太股ももぐらいある真黒な腕を組んで、俺の寝台ねだいにドッカリと腰をおろしてをグッとき出したもんだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
台処の流許ながしもとに流れる水は皆な凍り着く。ねぎの根、茶滓ちゃかすまで凍り着く。明窓あかりまどへ薄日の射して来た頃、出刃包丁でばぼうちょうか何かで流許の氷をかんかんと打割るというは暖い国では見られない図だ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人々は互に新年の挨拶を取換とりかわした。屠手の群はいずれも白い被服うわっぱりを着け、素足に冷飯ひやめし草履という寒そうな風体ふうていで、それぞれ支度を始める。庭の隅にかがんで鋭い出刃包丁でばぼうちょうぐのもある。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)