“たいたく”の漢字の書き方と例文
語句割合
大澤100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我は羅馬以北の景を看て、その概(おほむ)ね皆陰鬱なるに驚きぬ。大澤(たいたく)の畔の如くならず、テルラチナなる橄欖の林の棕櫚(しゆろ)を交へたるが如くならず。
特(こと)に朝日島(あさひじま)紀念塔(きねんたふ)設立(せつりつ)の顛末(てんまつ)——あの異樣(ゐやう)なる自動冐險車(じどうぼうけんしや)が、縱横無盡(じうわうむじん)に、深山(しんざん)大澤(たいたく)の間(あひだ)を猛進(まうしん)したる其時(そのとき)の活劇(くわつげき)。猛獸(まうじう)毒蛇(どくじや)との大奮鬪(だいふんとう)。武村兵曹(たけむらへいそう)の片足(かたあし)の危(あぶ)なかつた事(こと)。
白晝(まひる)となりてより、我無聊は愈〻甚だしければ、又車を驅りてこゝを立ち、一の平原に入りぬ。緑草の鬱茂せるさまはポンチニイの大澤(たいたく)に讓らず。
路は山の脊に出でゝ、裸なる巖には些(すこし)許りなる蔓草(つるくさ)纏ひ、灰色を帶びて緑なる亞爾鮮(アルテミジア)の葉は朝風に香を途りぬ。空には星猶輝けり。脚下には白霧の遠く漂へるを見る。是れ大澤(たいたく)の地なり。