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ぞんぶん
しかるに
言おうと
云う
望は、
終に
消えず
忽にして
総の
考を
圧去って、こんどは
思う
存分、
熱切に、
夢中の
有様で、
言が
迸り
出る。
「どうだい、これは、
自分はまあ
何といふ
幸福者だらう。こんやは、それこそ
思ふ
存分、
腹一
杯うまい
生血にありつける
譯だ」
そこで余等も馬に
劣らじと
鼻孔を開いて初秋高原清爽の気を
存分に
吸いつゝ、或は関翁と打語らい、或は
黙して
四辺の景色を眺めつゝ行く。