“そぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
疎髯75.0%
楚然6.3%
疎髥6.3%
粗膳6.3%
粗髯6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平たきおもてに半白の疎髯そぜんヒネリつゝ傲然がうぜんとして乗り入るうしろより、だ十七八の盛装せる島田髷しまだまげの少女、肥満ふとつちようなる体をゆすぶりつゝゑみかたむけて従へり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
みどりの枝を通す夕日を背に、暮れんとする晩春の蒼黒く巌頭をいろどる中に、楚然そぜんとして織り出されたる女の顔は、——花下かかに余を驚かし、まぼろしに余を驚ろかし、振袖ふりそでに余を驚かし
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その外小鼻こばなの両側から口辺へかけても太い皺があり、それが何か苦いものをめたような気むずかしい表情に見え、鼻の下と、頤の先とに、バラバラと数えられる程の疎髥そぜんがある。
「籠城中のこととて、何もございませぬが、夜食をさしあげよとの、殿のおことばでございますれば、ただ今、粗膳そぜんをさしあげまする」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼻下にもあごにも粗髯そぜんがあったが、おそらく手入れをしないからであろう、ヒョロヒョロとして見立てがない。がそれがかえってその人物を、一層上品にみせるのである。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)