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しるこや
「はてな。あれやあほんとの
古渡りで、新渡の
贋物を売ったわけでもないが。……その梅掌軒ていうなあ
汁粉屋か何かですか」
銀座の
旧日報社の
北隣——今は
額縁屋になっている——にめざましと呼ぶ小さい
汁粉屋があって、またその隣に間口二
間ぐらいの
床店同様の古本店があった。
何ぞ
落語の
種子にでもなるであらうと
存じまして、
門内へ
這入つて見ましたが、一
向汁粉店らしい
結構がない、
玄関正面には
鞘形の
襖が
建てありまして、
欄間には
槍薙刀の
類が
掛て
居り