“このさい”の漢字の書き方と例文
語句割合
此際100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その女客は、手に何か黒いかさばったものを持っているらしかったが、此際このさいそんなことは、女房に取って注意を要すべきことではなかった。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それとも一方いつぱうには小説雑誌の気運きうん日増ひましじゆくして来たので、此際このさいなにか発行しやうと金港堂きんこうどう計画けいくわくが有つたのですから、早速さつそく山田やまだ密使みつしむかつたものと見える
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
我が恋のかたきとも云うべき冬子がかかる危難に陥っていると知ったら、お葉は此際このさいんな処置を取ったであろう。が、表よりるるおぼろ雪明ゆきあかりでは、お葉にれと判然はっきり解らなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)