“けんぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
権謀36.4%
剣鋩18.2%
健坊9.1%
兼坊9.1%
剣芒9.1%
堅棒9.1%
険鋒9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
肉体の病気をなおしてやって、新生の希望を持たせ、それから精神の教化などとそんな廻りくどい権謀けんぼうみたいな遠略は一さい不要なのです。人事ひとごとではない。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
かの竜驤虎視りゅうじょうこし各国たがいに剣鋩けんぼうを削り、地球の表面にはいまだ一日も烽火ほうかの上るを見ざるの日なく、いまだ一日も砲声を聞かざるのときなき今日において、いかなればかくのごとき国体にして
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
健三はむかしその人から健坊けんぼう々々と呼ばれた幼い時分を思い出した。関係が絶えてからも、会いさえすれば、やはり同じ健坊々々で通すので、彼はそれをいやに感じた過去も、自然胸のうちに浮かんだ。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
健坊けんぼう、御前本当は誰の子なの、隠さずにそう御いい」
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
長い竿さおのさきへ菓子袋をくくり付けて、大きな柿の木の下でせみの捕りくらをしているのを、宗助が見て、兼坊けんぼうそんなに頭を日に照らしつけると霍乱かくらんになるよ、さあこれをかぶれと云って
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
跳び上った春藤幾久馬をはじめ、一同ダダダッ! と後へに退って、剣芒けんぼうを揃えて一団に集まる。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「早稲田は堅棒けんぼうだよ。相手が社長令息だろうが何だろうが、実力で行く」
村一番早慶戦 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
道衍の峻機しゅんき険鋒けんぼうを以て、しずかに幾百年前の故紙こしに対す、縦説横説、はなはれ容易なり。是れ其のる可き無き所以ゆえんなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)