“きながし”の漢字の書き方と例文
語句割合
着流100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
図を見るに川面かわづらこむる朝霧に両国橋薄墨うすずみにかすみ渡りたる此方こなたの岸に、幹太き一樹の柳少しくななめになりて立つ。その木蔭こかげしま着流きながしの男一人手拭を肩にし後向うしろむきに水の流れを眺めている。
唐突だしぬけふすまを開け、貴婦人、令嬢、列席の大一座、燈火の光、衣服のあや、光彩燦爛さんらんたる中へ、着流きながし白縮緬しろちりめんのへこおびという無雑作なる扮装いでたちにて、目まじろきもせで悠然ゆらりと通る、白髪天窓しらがあたまの老紳士
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
紺地に白茶で矢筈やはずこまかい、お召縮緬めしちりめんの一枚小袖。羽織なし、着流きながしですらりとした中肉中脊。紫地に白菊の半襟。帯は、黒繻子くろじゅすと、江戸紫に麻の葉の鹿の子を白。は縮緬の腹合はらあわせしんなしのお太鼓で。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)