“きあん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
雪姉33.3%
几案33.3%
帰安11.1%
机案11.1%
琦庵11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論もちろんこのことについては中姉なかあんちゃんや雪姉きあんちゃんに迷惑が懸らないように、単独で、穏便に掛け合うつもりであるから、心配しないで貰いたい、ついては
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
藤森恭助御不審の次第あり家内の文書類を出してことごとく見せられよと、家内の者の驚き騒ぐをしかりつけ、書斎の内に押入りて几案きあん箪笥たんすともいはず、こゝかしこを捜りことごとく持ち去りぬ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
みん代のことである。帰安きあん県の知県ちけんなにがしが赴任してから半年ほどの後、ある夜その妻と同寝していると、夜ふけてその門を叩く者があった。知県はみずから起きて出たが、暫くして帰って来た。
すると、紅蝋燭べにろうそくの如く赤いおもて漆黒しっこくの髯をふさふさとたくわえている一高士が、机案きあんひじをついて書を読んでいた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おしというか、自信というか、ぶつかってゆく。——その手で、お里も、ほかの多くの女をも、経験してきた彼は、やがて、お八重がよく町医の関口琦庵きあんの所へ通うのを知って、ある夜、わざと
無宿人国記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)